花粉の少ない森づくりとは
花粉の少ない森づくり
花粉の少ないスギ・ヒノキに植え替える
毎年、花粉症に悩まされる人がたくさんいます。
東京都では、1983年度から花粉症対策に取組んできましたが、今では、都民の48.8%が花粉症になっていると推定されます。
東京は世界的な大都市ですが、総面積の約4割が森林です。そして、その7割が多摩地域にあって、多くの山間地には花粉をたくさん飛ばす樹齢30年以上のスギやヒノキの人工林が広がっています。
東京都農林水産振興財団は、2006年から東京都とともに、花粉を多く飛散するスギ・ヒノキの人工林を伐採し、花粉の少ないスギ(※)などに植え替える「花粉の少ない森づくり」を進めています。これにより、花粉症の原因となる花粉を減らし、あわせて、森の循環を促進し、木材の安定供給と林業の活性化を図っています。
※花粉の少ないスギとは、今までのスギと比べて、花粉の数が約1/100のものです。東京では3つの品種が開発されています。
伐採した山には、花粉の少ないスギ等を植えています。
森の循環
伐採した木を使う、伐採したら苗を植えて育てる、これを繰り返す
人工林は、人の手で植えられた森です。この森は、きちんと手入れをしないと、木が混み合い太く丈夫に育ちません。また、木が混み合うと地面に光が届かないため草が生えず、土がやせて土砂崩れや洪水が起きやすくなります。
太く丈夫な木が育ち、たっぷりと水を貯えることができる健康な森を保つためには、森の手入れが欠かせないのです。大きくなった木は伐採して使い、伐採したあとには苗を植えて育てることを繰り返す「森の循環」がとても大切です。
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植え付け
伐採が終わった土地に「花粉が少ないスギ・ヒノキ」などの苗を植えます。
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下刈
苗の周りに生えた雑草を刈り取ります。
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つる切り・除伐
木の生長に邪魔なつるや曲がった木などを取り除きます。
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枝打ち
質のよい木材をつくるため、不要な枝を切り落とします。
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間伐
森の中まで光が届くように、間引きします。
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主伐
十分に生長した木を収穫します。
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木材利用
森から伐り出された丸太を板や角材、合板などに加工し住宅や家具などに利用します。
森づくりに参加する
みんなで健康な森を育て、未来に引き継ぐ
植えた苗が育ち、森になるまでには、長い年月と多くの人の手が必要です。
募金への協力や森林ボランティアへの参加、とうきょうの木・多摩産材を使うなど、花粉の少ない森づくりに参加する方法はいくつかあります。
花粉の少ない森づくり運動では、地球温暖化防止に貢献しながら、健康な森を未来に引き継いでいくため、多くの方のご参加をお待ちしています。